ヘリコバクター・ピロリ菌とは
ピロリ菌の感染経路
ピロリ菌と胃がんについて
ピロリ菌の検査
上部内視鏡検査で行うピロリ菌感染検査法
組織鏡検法
胃の組織の一部を採取し、顕微鏡で観察してピロリ菌の有無を調べます。
培養法
胃の組織の一部を採取し、1週間ほど培養してピロリ菌の有無を調べます。
迅速ウレアーゼ法
胃の組織の一部を採取し、ピロリ菌が生成するアンモニア量を調べます。検査当日に検査の結果が分かります。
上部内視鏡検査後に行うピロリ菌感染検査法
尿素呼気試験法
診断薬を服用したあとに吐く息(呼気)を採取して、ピロリ菌の反応を調べます。
抗体法
血液・尿を採取してピロリ菌抗体を測定します。
抗原法
便を採取してピロリ菌抗原を調べます。
ピロリ菌の感染診断法と感度特異度

(2016改訂版 H.Pylori感染の診断と治療のガイドライン 編集 日本ヘリコバクター学会ガイドライン作成委員会より)
ピロリ菌と除菌治療
先進国など衛生状態が改善されている国ではピロリ菌感染者数は減少してきましたが、いまだに日本にはおよそ3,500万人程度がピロリ菌に感染しています。ピロリ菌の除去によって活動性炎症や潰瘍の再発を防ぎ、胃癌発症リスクを低下させることができます。治療もわずか1週間ほど服薬するのみです。
ピロリ菌除菌治療の流れ
Step.1ピロリ菌の検査
検査にてピロリ菌感染の有無を調べます。
Step.2検査結果
検査結果が陽性だった場合は、除菌治療を行います。陰性だった場合は除菌治療の必要がありません。
Step.3除菌治療(1回目)
抗生剤・制酸剤を2回/日(朝・夕)を1週間服用します。
Step.4除菌治療の結果確認
判定検査は、服用終了後に6週間以上経過してから実施します。判定で陰性の場合は、除菌成功になり治療は終了です。陽性の場合は、2回目の除菌治療を保険適用で受けられます。
Step.5除菌治療(2回目)
1回目と同様、抗生剤を変更し、後は同じ分量で朝夕2回を1週間服用します。
Step.6除菌治療の結果確認
除菌判定も1回目と同じタイミングです。ほとんどの場合で1回目・2回目で除菌成功します。万が一失敗の場合は、3回目の除菌治療を受けられますが保険外診療(自費)となります。
ピロリ菌の除菌治療成功率は、1回目で80~90%ほど、2回目は90%とされています。
除菌治療の保険適用について
上部内視鏡検査をうけて慢性胃炎・胃潰瘍・十二指腸潰瘍と診断された場合は、ピロリ菌除菌治療を保険適用で受けることができます。ピロリ菌検査と除菌治療2回目までが保険適用されます。6か月以内に上部内視鏡検査を受けられていない方のピロリ菌検査は保険外診療(自費)となります。